慢性腎臓病のこころ:サイコネフロロジー

今回ははサイコネフロロジーについて取り上げます。

『サイコネフロロジー』って何?はじめて聞いた!

と言う方は非常に多いのではないかと思います。

今回は心療内科の一分野、サイコネフロロジーについて解説します。

サイコネフロロジーとは慢性腎臓病患者のこころを扱う学問

サイコネフロロジーは英語ではPsychonephrologyと書き、こころをあらわす接頭辞の”Psycho-“と腎臓病学をあらわす”nephrology”が合わさった用語であるように、慢性腎臓病患者のこころを扱う学問です。

腎臓が悪くなると、うつや睡眠障害など精神面に不調をきたすことが知られています。したがって、腎臓病の方の心のケアは非常に重要な課題の一つです。

慢性腎臓病は現代の国民病!

人工透析のイラスト

慢性腎臓病とは、いわゆる腎不全のことで、日本には潜在的な患者さんも含めると1330万人(8人に1人)くらいいると推定されており、もはや国民病です。

その原因は、糖尿病や高血圧をはじめとする生活習慣病が約半数を占め、これらが十分にコントロールが出来ていないと、長期間にわたって腎臓にダメージが加わり、やがては腎臓が機能しなくなってきます。

腎臓が悪くなったときに、真っ先に思い浮かぶのが『人工透析』でしょう。実際には人工透析にも二通りの方法があり(血液透析・腹膜透析)、また透析以外にも腎移植という方法もあるのですが、日本では腎臓が悪くなった方の95%以上が血液透析が行われています。

そして血液透析は、透析の施設に週3回程度通って行うのが最も一般的な方法であり、治療の経過の中で様々な透析に関わる合併症・症状も出てくることも少なくありません。

サイコネフロロジーは様々な人がかかわります!

こういった背景から、サイコネフロロジーには様々な人が関わります(これを我われは多職種連携・多職種協働といいます)

医者だけでも腎臓内科医、移植外科医、泌尿器科医、心療内科医、精神科医などがいますし、加えて看護師・臨床工学技師(透析のスペシャリスト)・臨床心理士/公認心理師・管理栄養士・薬剤師・リハビリ専門職などです。これら様々な職種が各々の専門性を持って患者さん・ご家族を支援します。

サイコネフロロジーが関わること

サイコネフロジーで関わる事は下記のようなものがあります。

・慢性腎臓病患者のこころのケア

・腎代替療法(透析・腎移植)の決定の支援

・腎代替療法の見合わせの判断のサポート

・慢性腎臓病の緩和ケア(特に精神的ケア)

・認知症透析患者のケア

・その他精神症状・精神疾患を抱えた透析患者のケア

まとめ

サイコネフロロジーは、生活習慣病を背景とする慢性腎臓病患者が増えていく現在、これからますますその必要性が認識されている分野です。

ご自身もしくはお近くの方で腎臓が悪い、透析を受けている方がおられたら、こころの状態にも目を向けてみてはどうでしょうか。

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