◎専門医が解説◎ 心身症の難しいトコロ BEST3

心身症(ストレス由来の身体の病気)は、がんや肺炎などほかの病気と違って難しい部分がいくつもあります。

今回は心身症の難しいトコロ BEST3を発表します。

第三位 複数の心身症を合併する!

心身症は、ストレス由来の体の病気で、代表的なものとして、過敏性腸症候群、緊張型頭痛、気管支喘息、顎関節症、アトピー性皮膚炎などがあります。

他の病気の多くは単独で起こることが多いのに対して、心身症の患者さんは複数の心身症を合併していることが少なくありません。

すなわち

過敏性腸症候群 × 顎関節症

気管支喘息 × アトピー性皮膚炎 (両者はアレルギーが関連しています)

などです。

したがって、一方だけを治療したらよいというわけでないばかりか、一方をよくすると他方が悪くなる、ということもしばしば経験します。

ではどうするか?

両者に共通する根元の部分を治療する必要があり、これが心療内科で最も得意とする部分です。

第二位 完全に治るわけではない!(ことがある)

これは多少説明が必要かもしれません。なぜならほとんどの患者さんは、「治る」「治してもらう」為に病院に受診するのですから…。

もちろん、治ることもありますし、医療者も治したいという思いは同じですが、多くの心身症は体質的な部分が関与しているため、「治る=症状をゼロにする」という文脈では、完全に治すことは難しいこともしばしばあります。

しかし病院受診が必要でなくなることは可能で、それが「対処行動」の習得ということになります。

すなわち、ご自身で症状に対する対処法を学習・習得することで、症状があっても日常生活は支障がない、社会生活は十分にやっていけるという着地点を目指す。

最低限はこのラインを目標にまずは治療に向かっていただけたらと思います。

第一位 自分にしか症状がわからない!(ことが多い)

心身症の多くは、その人自身にしか症状がわかりません。

裏を返すと、ほかの人に分かってもらいにくいということになります。

例えば、腕にけがをしている、肺炎があるなどといった場合、見た目あるいは検査結果から客観的に病気であると分かってもらいやすいと思います。

しかしながら、多くの心身症は客観的に伝達しにくいことが多く、したがって、周囲の人から「気のせい」とか「仮病」扱いされることも少なくありません。

今でこそ、片頭痛や過敏性腸症候群は、病名としてある程度社会に広く知られるようになってきましたが、稀な心身症(例:機能性ディスペプシア)などは、また病気自体があまり知られていないため、「なんか胃腸が弱い人」みたいな形で軽く見られる傾向があると思います。(実際には機能性ディスペプシアは非常に生活の質(QOL)を低下させる病気であることは、様々な研究で示されています)

まとめ

今回は心身症が難しい理由を3つ挙げましたが、ほかにも心身症の難しいトコロはありますが、別の機会に述べたいと思います。

“心身症”の正しい理解が、もっと世の中に広がってほしいと思います。

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