MUSって聞いたことありますか?

”MUS(エムユーエス)”という言葉、聞いたことがありますか?

恐らく、ほとんどの方は初耳ではないかと思います。

実は医療者の中でもMUSについて知っている人は少数派かもしれません。

今回はそんなMUSについて解説します。

MUS= Medically Unexplained Symptoms

ずばり、

MUSとは Medically Unexplained Symptoms のことで、

直訳すると「医学的に説明できない症状」のことを指します。

前回取り上げた、機能性身体症候群FSSと似たような概念ですが、厳密にはイコールではなく、お互いがオーバーラップする概念でもあります。

機能性身体症候群の場合、片頭痛や過敏性腸症候群のようになにがしかの病名がつく事が通常ですが、MUSの場合、どの病名にも当てはめられない(=症状のみ)のことも多く、これはFSSではないがMUSであるといった具体になります。

MUSの具体的な例

MUSの具体的な例を見ていきましょう。

例えばこのような患者さん。

72歳男性 

「いらすとや 胸痛」の画像検索結果

『数ヶ月前から時々胸の辺りが苦しくなることがあって・・・。特にきっかけはないですよ。でもなにかの拍子にぐわっとくることがあって。
近所のかかりつけの先生に言ったら心電図は異常ないって言われて、これ以上の検査はできないっていわれたもんで、総合病院に紹介になりました。
そこでも、心電図をもう一回検査をしたり、エコーの検査、ホルター心電図っていうんですか?長く心電図つけとくやつ。挙句の果てには、運動しながらの心電図とか、CT検査をやったりとかして。
ありとあらゆる検査をやったんですけど、結局原因が良く分からないって言われまして・・・。
それでこちらに紹介になりました。』

こういった患者さんはMUSの可能性が高いです。

「高い」といったのは、これに対してなにがしかの病名をつけてFSSに分類するという考え方もあるためです。

(この方の場合であれば、FSSとしては『非定型/非心臓性胸痛』という病名をつけることになると思います)

MUSの分類

MUSには様々なものが雑多にが含まれているといわれています。

ある研究では、

① 未知の疾患による身体症状
② 医師の能力不足のため未診断のまま放置されている身体症状
 a. 身体的な診断能力が不十分である場合
 b. 身体症状を伴う精神症状を見逃している場合
 c. 「心因」と誤診して身体疾患を見逃している場合
③ 詐病および虚偽性障害
④ 身体表現性障害(※現在は身体症状症と呼ばれます)

と分類されています。

例えば、②b.のような場合、うつ病のところでも書きましたが、うつ病の中でも倦怠感や食欲不振などの身体の症状がメインのことも少なくありません。

従って、ある人が見たらMUSであるものが、別の医者が見たら実は「うつ病」だったなんてこともありますので、診断は決して容易ではありません。

まとめ

機能性身体症候群FSSのところでも解説しましたが、現代医学・科学で分かっていないことは山ほどあります。検査に関しても、例えばCTやMRIなどの画像検査も物質の診断(器質的疾患)に関しては得意ですが、動きの問題(機能性疾患)などになると、全く診断的価値を持ちません。

また、MUSであっても対処法がある場合も数多くあります。(因果論からの脱却が鍵になりますが)

というわけで・・・

MUSを恐れない!

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