『機能性』ってどういうこと?

今回は「機能性疾患」について取り上げます。

よく病院を受診すると、『器質性(きしつせい)の病気は否定的ですね』と言われる事があると思います。

「器質性疾患」の反対が「機能性疾患」です。

今回は心療内科でよく診る『機能性疾患』について解説します。

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『機能性』とは一般的検査で特定し難い臓器の動きや働きのこと

機能性を考える前に、器質性について考えてみましょう。

器質性とは、検査で明らかにはっきり分かる異常のことを指します。

例えば、分かりやすい例を挙げると

・心筋梗塞(心臓を栄養する血管が細くなってつまりかけている)

・乳がん(正常な細胞をがん細胞が犯していて、腫瘍を作っている)

・肺炎(細菌が肺の中に入り、炎症を起こしている)

などです。

一方で、機能性疾患も具体例を挙げると

・過敏性腸症候群(ストレスがかかるとおなかが痛くなり、下痢をする)

・片頭痛(気候や食べ物、ストレスなどによって頭が痛くなる)
※片頭痛は「片」とついていて、よく「片側」だけの症状と思われがちですが、頭全体が痛くなることもあります。

などです。

これらは、通常の検査、例えば血液検査、大腸カメラ、レントゲン・CT・MRIなどではほとんど異常がありません。(逆にこれが「器質的疾患ではない」という根拠になります)

実際には特殊な検査をする事で、胃腸の動きや自律神経機能が分かったりする事もあるのですが、一般的な病院で出来る検査では分からない事がほとんどです。

従って、診断も基本的には患者さんからの訴えがメインになります。

機能性疾患の例

実は機能性疾患は非常に多くのものがあります。

これらを総称して機能性身体症候群(Functional somatic syndromes, FSS) という呼び方が提唱されています。

具体的には

消化器系:機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群、慢性便秘症

呼吸器系:ヒステリー球 (咽喉頭異常感症) 、過換気症候群

神経系:片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛(現在は三叉神経・自律神経性頭痛TACsと呼ばれるています)

婦人科系:月経前症候群、慢性骨盤痛

歯科口腔系:顎関節症、舌痛症

その他:線維筋通商、慢性疲労症候群、化学物質化過敏症

などがあります。

機能性疾患と心身症との関係

心療内科ではこれらの機能性疾患の患者さんを診ることが少なくありません。

繰り返しになりますが、心療内科の本来の扱う対象は『心身症(ストレス由来の身体の病気)』なのですが、機能性疾患の一部に心身症要素が含まれるためです。

例えば、ストレスによって過敏性腸症候群の症状がある場合、

過敏性腸症候群(心身症)

と表記され、心療内科での治療対象になり得ます。

ただ実際にはストレスが原因かどうかを科学的に証明することが難しいこと、また他に機能性疾患を診る適切な診療科がない場合があることから、心療内科に紹介になることもしばしばです。

※もちろん脳神経内科の先生方が主にされる事が多い、頭痛外来では片頭痛や緊張型頭痛などは診てもらえます。

機能性疾患の考え方:「気のせい」ではない!!

よく患者さんに言われる言葉があります。

「周りの人には、気のせいじゃない?って言われたりするんですけど、、でも症状があってつらいんです!」

機能性疾患の多くは、他人から見て分かりません。

器質的疾患でも他人からみて分からないものもありますが、機能性疾患の場合には、医学的に一般的な検査でも異常がない事が多いので、医療者からも「気のせいでは?」「考えすぎでは?」と言われ、周囲の人からの理解が十分に得られないこともしばしばです。

今でこそ、片頭痛や過敏腸症候群という病名は比較的世に知られるようになってきましたが、まだマイナーな病名もあったり、症状のつらさが本人自身にしかわらないことから、社会的認知も広まっていないというのが現状です。

まとめ

今回は機能性疾患についてまとめてみました。

まずは症状を理解してもらえる人・医療者が見つかる事が第一歩です。

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