心療内科医がうつ病を診る理由

心療内科の本来の専門となる病気は「心身症」(ストレスに関連するからだの病気)です。ですが、実際の心療内科(精神科ではありません)外来には一定数うつ病の患者さんがおられます。その理由を解説します。

理由① うつ病では身体の症状が出る事が多い!

うつ病は心の病気と思われていて、間違いではないのですが、実際にはかなりの方は身体の症状を訴えで外来受診されます。

下のグラフをみてください。

これは、ある調査で受診の際の症状がどのようなものであったかを示したグラフです。これをみると、上4つの精神症状と同じか、それ以上に下4つの身体症状の頻度が高い事が分かります。また、もう一つ注目すべきは、患者さんが自ら訴えた割合が、精神症状はほぼ数パーセントに対して、身体症状は20-60%と非常に高い事があります。

従って、普通のクリニックや総合病院の内科を受診しているうつ病患者さんは非実際には非常に多く、それらの方は身体の症状があるということで、心身症の疑いとして心療内科に紹介となるわけです。

このように、必ずしも「身体の症状→身体の病気」というわけではなく、「身体の症状→心の病気」ということもあるこということは是非覚えておきましょう。

理由② ストレスが原因のうつ病の解決が得意

うつ病に限らず、精神疾患の原因の分類として、古くは「内因・外因・心因」というものが用いられていました。これはそれぞれ、

内因:脳の異常でおきるもの 

外因:身体の病気が原因でおきるもの 

心因:精神的負担(強いストレス反応)でおきるもの

とされてきました。

うつ病は代表的な内因性の病気と考えられてきましたが、ストレスが非常に多い現代、心因性のうつ病が一定数いることが分かってきました。(新型うつもその一種です)

この心因性の取り扱いは、心身症(ストレスが原因の身体の病気)を専門とする心療内科医は得意中の得意分野です。

そして、こういったうつ病の患者さんに対しては、薬の治療と並行して、ストレスにいかに対応していくかを外来でよく検討していくことになります。

理由③ 精神科より心療内科のほうが敷居が低い?

これは最近は減ってきましたが、以前も取り上げた「心療内科・神経科・精神科」標榜の件と関連します。すなわち、心療内科を受診していると思ったら、精神科だった!ということは非常に多く、これが「うつ病を心療内科で診てもらえる」という理由の一つになっていると思います。

もちろん、上のような理由で、心療内科でうつ病の診療にあたることもありますし、実際に受診されて、断られることはまずありませんので、ご安心ください。

まとめ

心療内科の専門分野は「心身症」ですが、実際にはうつ病の患者さんの診療に当たっていることも少なくありません。ただし、入院での治療がひつようであったり、自殺願望があるような重症のうつ病の患者さんは、必要に応じて精神科の先生に診察いただくこともあります。

身体の不調の原因が、必ずしも身体の病気とは限らないということは、是非知っておいて頂きたいと思います。

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