推薦図書 『腰痛放浪記 椅子がこわい』
今回は患者さんの心療内科体験を詳細に記した書籍「腰痛放浪記 椅子がこわい」の紹介です。
著者の夏樹静子は非常に有名な作家なので、いまさら解説する必要もないかもしれませんが、この心身症ともいえる慢性疼痛は彼女の人生の中での転機の一つになったに違いありません。
作家として絶頂の中、身体の不調を感じ始め、最終的に心療内科で治療を受けたエピソードが、患者側の視点から綴られています。また患者側の視点というだけでなく、 作家ならではの、客観的な記述が非常に面白く、医療職としても非常に学びの多い一冊です。
文庫本あとがきを読むと、非常に反響が大きかったようで、初版が出たのは今から20年ほど前ではありますが、現状でも慢性疼痛への理解や心療内科への理解はあまり変わっていないように思います。
この書籍、電子書籍版にはないのですが、文庫本には心療内科医による「解説」もついており、こちらも一読の価値ありです。
また同じ 夏樹静子 のこちらもオススメ。
読書の秋、是非あわせてご一読ください。