抗うつ薬ってどんなん?

心療内科の治療は心理療法・薬物療法・環境調整がメインという事は別に取り上げました。今回は薬物療法の中でも、心療内科でよく使用される『抗うつ薬』について解説します。

抗うつ薬はどういう人に使う?

抗うつ薬は文字通り、本来は「うつ」に対して使うお薬です。お薬の効能を書いてある紙(添付文書といいます)にも、大概は「うつ病・うつ状態」となっています。

心療内科で主に診る病気は「心身症」だというお話は以前に取り上げました。心身症にも様々なバリエーションがあるように、「うつ病」にも様々なタイプがあります。

特に心療内科では「内科」で身体症状をメインにくる「うつ病」を良く診る機会が多く、そのような方に対して抗うつ薬を用いる機会があります。

また抗うつ薬は全般的に脳内ホルモンを調整する働きがあり、うつだけでなく不安などにも効果が高いものがあります。

抗うつ薬はセロトニン・ノルアドレナリンに効く!

抗うつ薬はどのように効果を発揮するかというと、主に脳内ホルモンの調整をすることです。特に情動に関わるホルモンである、セロトニンやノルアドレナリンという脳内ホルモンを増やすことが知られています。

うつや不安の原因として、頭の中のホルモン不足が言われています。
(このことを『モノアミン仮説』と言います。モノアミンとはセロトニン、ノルアドレナリンなどの脳内ホルモンのことです。)

したがってこれらを補充することで、うつを治していける!と言うことですね。

代表的な抗うつ薬について教えてください!

例えば胃薬一つとってみても色々な種類があるように、抗うつ薬にも様々な種類があります。ここでは比較的よく使われるものを取り上げます。

抗うつ薬は、主にセロトニンに利く薬、セロトニンとノルアドレナリン両方に利く薬に分かれます。

セロトニンに利く薬の代表はSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と言うものです。

またセロトニンとノルアドレナリン両方に利く薬の代表はSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)とNaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)という種類があります。

ややこしい名前ですが、要はセロトニンやノルアドレナリンに利くということですね。

これらのお薬の中で、患者さん毎に合ったお薬が処方されます。

抗うつ薬の効き方と副作用

抗うつ薬を処方すると、すぐに効く事を期待している患者さんが時々おられますが、そうではありません。私自身は処方するときに「最低2週間くらいは飲み続けてみてくださいね。」とお話しています。

他の解熱鎮痛剤や抗生物質のような即効性は、抗うつ薬には全く期待できません。と言うのは、先に述べたように、抗うつ薬はホルモンを調整して効果を発揮する薬ですので、飲み始めてからホルモンがじわっと出てくるまでにタイムラグがあるのです。(これは「抗不安薬」と大きく異なる点でもあります)

さらには、抗うつ薬は飲んですぐ効果が出ないばかりか、むしろ飲みはじめには副作用が出ます。例えばおなかの症状(嘔気・便秘)や眠気・ふらつきなどです。

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副作用の出方は人それぞれで、全く副作用を感じない方もいらっしゃいますが、いずれにせよ、この時期を乗り越えてから効果が出てくることが一般的なので、副作用の時期に「この薬を飲むと吐き気が出るから・・・」と言って止めてしまうと、全く効果がないことになります。

これを防ぐために、実際に抗うつ薬を開始するにあたっては、最も少ない量から始めたり、副作用予防の薬を一緒に用いたり、抗うつ薬を飲めるような工夫をしています。

まとめ

抗うつ薬について、簡単にまとめてみました。

抗うつ薬は決して怖い薬ではなく、適切に使うことでより早く回復することも期待できる薬です。

もし今の症状にお薬どうかな?と思っている方がおられたら、ぜひ主治医の先生と話し合ってみましょう。

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